犬と猫の手加減には、自己犠牲がない
別に答えとかない人生考察
我が家には犬と猫がいる。彼らはしばしばじゃれあって遊ぶのですが、それを見るのがとても好き。お互いに子供の時からいる存在なので、もう慣れたもので、家族なもので、犬は猫に手加減しながらじゃれ合うし、猫もへそ天になりながら一生懸命パンチを喰らわせる。ああ、かわいい。たまに猫がガチギレしてたり、犬の手加減が甘い時もあって、止めに入ることもあるのですが、それでも遊びとして成立している何か、が、彼らの間にはある。
我が家の番犬ソルティとヘソ天で応戦する猫のてんぷら
私は違うものが混ざり合っているのを見るのがとても好きです。これを自覚したのはダイビングにハマっていたとき。なんでダイビングが好きなんだろうって思ったら、一つの珊瑚礁に魚もウミウシも甲殻類もいて、そうゆう共存を見るのがすきなんだって気付いた。大きい魚も小さい魚も一緒になって珊瑚を突いているのが良き。大きい鯨に小さい魚が群がって泳いでいるのも良き。そうゆう種類が違うものたちが一緒にいる、という事象に私は心がときめくのです。
これは職場環境でもそうだった。わたしがいまも東ティモールという異文化で働いている理由はここにあるのかもしれない。つまりは、日本人がいて、東ティモール人がいて、インドネシア人がいて、フィリピン人がいて、ポルトガル人がいて、オーストラリア人がいて。そうゆう異文化が混ざり合う環境というのが好きなのである。多言語が飛び交うのも良き。私はインドネシア語が分からないのだけど、インドネシア人が勢い余ってわたしにインドネシア語で話しかけてきて、ソーリー、ソーリー、笑笑、みいたいな瞬間に私はとても癒される。いや、いいのよ、って。むしろ嬉しいわって。異文化共存、多言語環境、うん、好きだ。
このような異文化が共存する環境はとても美しいと感じるけれども、この共存というものは必ずしも実現するものではないというのも事実で、相手の文化を受け入れられない場合だってあるだろうし、自分の文化が相手に受け入れてもらえない場合だって存在はする。これは国とか文化のスケールの話じゃなくて、もっと身近な、職場の人間関係とかでも同じことが起きることだってある。
たとえば自分のキャパ以上の仕事を疲弊しながらこなしている人は、仕事が終わらずとも定時で帰る人に批判的な目を向けることだってあるではないですか。そして定時で帰っている人もあの人あんなに残業して得点稼ぎか?みたいに批判的な目を向ける可能性だってあるじゃないですか。自分が正しいと思ってやっていることでも、他人にとっては煙たいことってあるじゃないですか。そうゆう誤解って生もうと思って生まれるものではない。
ちょっと違う話かもしれないんだけど、わたしがアパレル時代にイギリスの大学院進学を決意した時、朝6時から3時間勉強して、10時に出勤、10時退社、みたいな今思うと人間らしからぬキャパで毎日を過ごしていたのだけれども、それを当時の私は淡々と、食事は3食まとめて作ればもっと勉強時間がとれるぞ!なんて試行錯誤までしながら、毎日毎日、勉強時間の確保に勤しんでいて、周りの人たちに「よおやるなあ」と感心されていたのですが、それを聞いた私は、「いや、別に努力しているわけではないです」と彼らの感心を一身に否定していた。私自身、努力している感覚は本当になくて、ただ、大学院にいきたいんだ、っていう目標に向かって突っ走っているだけで、その過程は重要ではないというか、そこに自己犠牲的な何かは何もなくて、ただただ、大学院にいきたいから勉強する、そんな単純なものだった。
犬は猫と遊ぶ時に、手加減したってんねんで、っと思っているのかと問われると、いや、私はそうは思わない。そこに犬の自己犠牲は存在していなくて、相手に歩み寄る形で、自分も楽しい形で、最終的にその手加減レベルになっている、という結果論なのであって、私もわたしがしたいからやっているのであって、会社に勉強したいから時短にしてくださいっていう発想は全くなくて、その環境で、その時間的な制限の中で、自分はそうしたいからそうしていた。そこには相手への強要はなにもない。その発想すらない。
その発想すらなかったのは、今思えば結構変なことだったのかもしれない。別に頼んでもよかった。数ヶ月、時短にしてくださいって、自分の人生のために職場環境を調整すること、改善をお願いすることは別に悪いことではない。その発想すらなかったのは、たぶん、そうやって夢に向かって突き進んでいる自分自身が結構好きやったから、そんな気がしている。
いや、でもそれは今考えているから付けられる後付けの理由なのであって、本当のところ当時の自分のことはやっぱりよく分からない。でも、その分からなさを抱えたまま、私は今も、いろんなものが混ざり合う場所に居続けているんだと思う。それが好きで、それが心地いいって思っている、ただ理由はそれだけの単純なものなのです。
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